eBirdに登録作業してみましたが、その過程でこれまで見てきた鳥の種類に誤同定やsplitで名前が変わったりしたことに気付いた種類がいくつかあったのでまとめます。Zoopickerに投稿した写真などもこっそり登録替えしておきました。自分で分かりやすいようにおおむね観察した日付順で。
青文字がそうだと思っていた種類だけど、赤文字がたぶん正しい、という書き方です。
Northern Hawk-Cuckoo (Rufous Hawk-Cuckoo)
2017年9月15日、神奈川県で見た種類。ジュウイチなんですけど、Hodgson's Hawk-Cuckooだと思っていたらsplitしていた。ジュウイチ類も実はいろいろ種類が分かれていて、日本で観察されるのは分布域的に(キタ)ジュウイチ Northern Hawk-Cuckoo (Hierococcyx hyperythrus) のようです。今までジュウイチ(Hodgson's Hawk-Cuckoo / Hierococcyx fugax)の亜種だったものが独立種になったようです。
分布図をまとめてみました。左の縦の列が元は全部まとめてジュウイチだったようです。クロジュウイチとオオジュウイチも元は同種扱いだったもよう。ハイタカジュウイチもインドとスリランカで亜種が違うらしいのでそのうちsplitするかもしれません。各種類の特徴などは…各自で調べてみてください。
Indochinese Roller
タイでよく見かける種類。ずっとインドブッポウソウ(Indian Roller / Coracias benghalensis)だと思っていたもの。インドブッポウソウの一亜種だったものが独立種になり、今ではIndochinese Roller (Coracias affinis) だそうです。確かにインド周辺で見られるIndian Rollerと写真を見比べると特に喉のあたりが全然違う感じ。写真はどちらもindochinese rollerです。陽が当たるときれい。
Indochinese Bushlark ズアカヤブヒバリ
2018年6月10日撮影。ヤブヒバリと教えていただいていたもの。ヤブヒバリで調べるとAustrasian Bushlarkという英名のとおりオーストラリア付近を中心に生息しているようで、タイでも観察例は見られるものの、基本的にはズアカヤブヒバリではないかと。図鑑で見たらよく似た絵が並んでいるけど、ネットで写真を調べるとAustrasianはもう少し色黒な感じ。
Hume's White-eye
2018年6月13日タイのKaeng Krachan NPで撮影し、ハイバラメジロ(Oriental White-eye / Zosterops palpebrosus)だと思っていた種類。手持ちの東南アジア図鑑にはChestnut-flanked White-eye(チョウセンメジロ)とOriental White-eyeとEverett's White-eye(キムネメジロ)と日本でも見られるJapanese White-eyeの4種が掲載されていて、その中で一番写真に近いのがOrientalだったので。
しかしこれを見たのと同じくちょうど2018年に日本でも見られるメジロの英名はJapanese White-eyeからWarbling White-eyeになりましたし、Japanese White-eyeの亜種扱いだった台湾で見たことのあるヒメメジロはSwinhoe's White-eyeになりました。メジロの分類は細かく見ていこうとすると結構難しそうです。後日もうちょっと調べるかも。
で、Kaeng Krachanで見たこの種はというと、この場所で普通に見られる種としてはSwinhoe'sかHume'sかのどっちかのようですが、写真のとおりお腹の中央も黄色くなっているのでHume's White-eyeかと思います。
ちなみに台湾で撮影したSwinhoe's White-eyeは↓のような感じ。見た目は日本のメジロと殆ど同じ。
ついでに日本のメジロ、Japanese White-eye改めWarbling White-eyeです。なるべくお腹が映っているショットを選んでみました。主な識別ポイントがそこで良いのかはよく分からないのですが。メジロも撮影しやすいときはすごく撮りやすいのですが、あまりしっかり狙って撮らないこともあって写真を並べて見比べるのにちょうどいい写真がなかなか手元にないことに気付いた(^o^;)
Collared Babbler エリモズチメドリ
2018年6月13日Kaeng Krachanで撮影。シロガシラモズチメドリ(White-hooded Babbler / Gampsorhynchus rufulus)と思っていた種類。エリモズチメドリ(Collared Babbler / Gampsorhynchus torquatus)は頭の白い部分が首のところできっちり止まるけどシロガシラモズチメドリは腹部まで白い部分が続く、との説明があるため、この写真を見た感じではシロガシラモズチメドリと思ってしまいそうです。しかしエリモズチメドリの亜種G. t. torquatusは頭から続く白い部分がこの写真のような感じで首のところではっきり分かれていません。また、シロガシラモズチメドリはKaeng Krachan付近での観察記録はなく、肩の部分(小雨覆)がもう少し白い切れ込みがあるような感じになっています。ついでに見られた小さいやつもエリモズチメドリの幼鳥と思われます。
Olive Bulbul オリーブヒヨドリ / Buff-vented Bulbul カンムリオリーブヒヨ / Gray-eyed Bulbul メジロヒヨドリ
2018年6月13日Kaeng Krachan NPで撮影。これは誤同定判明したとかではなく、なんとなく観察地から推定しなおしてみたというもの。図鑑やネットの写真を見比べてカンムリオリーブヒヨ(Buff-vented Bulbul)かメジロヒヨドリ(Gray-eyed Bulbul)かなと思っていたが観察場所的にどちらも違うもよう(?) 図鑑を見ても違いについていろいろ書かれてるけど正直なところ写真見比べてもわからん!観察地的には似た種類の中でKKCが含まれているのはオリーブヒヨドリのみなのでこれはそうだと思う。
一方こちらは2020年2月10日Phu Khieo Wildlife Sanctuaryで撮影した種類。場所的にメジロヒヨドリ Gray-eyed Bulbulと思われます。思ったより黄色い気がしますが、写真をいろいろ調べて見ている中では同じように黄色っぽい個体の写真が出てきます。ネットの写真もどの程度アテになるか分からないですが、まあ自分の勘だけに頼るよりはマシでしょう…
一番自信がないのがこちら。2019年2月21日Sri Phang-nga NP付近で撮影。撮影地的にはオリーブヒヨドリかカンムリオリーブヒヨの2種類が候補。カンムリオリーブヒヨは下尾筒がbuff色とのことで図鑑には書かれているけど、ネットの写真を見ると、私にはお腹の色とほとんど同じ色が続いてるような感じに見えます。この写真は下尾筒は若干色がついてる感じに見えるのでカンムリオリーブではなくオリーブな気がするので、暫定でオリーブということにしていますが、上のオリーブの写真と比べて色合いや過眼線の感じとか違う気もするのでやっぱりカンムリオリーブかも。
twitterでこれはカンムリオリーブと教えていただきました。
この辺の似通ったBulbulは自分には結構難しい。今回撮影地から推定し直してみたけど、撮影地というのはだいぶ参考にはなる情報ではあるものの本来は写真を見てその個体の特徴から種を特定しなければいけない。この部分がこういう色だからこの種だ、みたいな。そのうち気が向いたらまたリサーチしなおしてみます。時間が経てばコロナで暇になったバードウォッチャーがブログ書いたりして情報量も増えているかもしれない。
Stejneger's Scoter ビロードキンクロ
White-winged Scoterと思っていたがWhite-winged ⇒ White-winged Scoter、Velvet Scoter、Stejneger's Scoterの3種にsplitしていた。三番瀬で見られるビロキンはStejneger'sです。嘴の鼻の形とか色とか結構違うのでこの種は最近splitしたにしては分かりやすい。
以下、台湾関係。大体がタイワン〇〇になりました、というもの。最近把握したものとちょっと前から知ってたものがあるけどせっかくなのでまとめます。
Taiwan Barbet タイワンゴシキドリ
2019年1月18日撮影。単に「ゴシキドリ」というだけの和名は半島マレーシアやスマトラ島に分布するBlack-browed Barbetのことを指し、台湾のゴシキドリはタイワンゴシキドリだそうです。
Taiwan Rosefinch タイワンマシコ
2019年1月19日撮影。タカサゴマシコだと思っていたが、タカサゴマシコ(Vinaceous Rosefinch/Carpodacus vinaceus)で調べたらそちらは中国大陸の鳥みたいな感じ。色合いもなんだか違う。タイワンのRosefinchはタイワンマシコになったようです。
Taiwan Scimitar Babbler タイワンヒメマルハシ
単に「ヒメマルハシ」だと中国大陸のStreak-breasted Scimitar-Babblerのことを指すようです。台湾のやつの方が胸が白黒のすじすじでかわいい。
Black Bulbul シロガシラクロヒヨドリ
単に「クロヒヨドリ」だと思っていたが、それはマダガスカルにいるMadagascar Bulbulにあてられた和名で、台湾のクロヒヨドリはタイワンクロヒヨドリ、ではなくシロガシラクロヒヨドリだそうです。頭白くないんだけど、こいつの亜種に頭が白いやつがいるらしいのが和名の由来みたいです。
今回はこの辺で終わり。
今回はたくさん写真をぺたぺた貼った!けど識別難しいものは難しいなあという感じ。まだ写真整理中な2月タイのムシクイ関係とかも残ってるけどなるべく声を撮ろうと試みたのがどれだけ生かせるかなあ。